ひるどき、地元に帰ってきて、ふとカレーを食べたくなる。

 何年か前に出来て評判の良い店があったはずだと足を伸ばす。

 ドアを開けると誰も出てこない。老婆の話し声が聞こえる。声を掛けると小柄な老婆がつんのめりそうになりながら出てくる。

 メニューやシステムがわからないのでただ座っている。ただひたすら座って待っているが、また誰も出てこない。老婆たちは奥で子どもの話をしているようだ。

 そこそこ評判の店だったので、意識の高い客が訪れていて、「これは何か、どういう効果か」などと質問をするが、老婆には全くわからない。シェフが国に帰ってしまったとかで、味だけは引き継いでいるかコンセプトはガタガタになっている。

 どうにかカレーにありついたが、ひどいオペレーションと雑な接客に思わず笑ってしまった。

 

 それからバスに乗って帰る。

 運転手は珍しく若くて、そこそこ感じも良い。

 見ていると、やたらとかっこつけて確認の手振りやアナウンスを行っている。

 バス好きが高じて運転手になったクチかもしれない。しかしそんなのも面白そうだ。

 

 帰ってきて犬とテレビを見る。満腹感が夜まで続く。このままだらだらと日曜の夜の中に沈んでいく。くだらないテレビを見て、お菓子を食べる。映画を観るか本を読むかもしれない。